以下の記事を翻訳したものです。
'용하P'가 말하는 블루 아카이브의 미래, 그리고 애니메이션
「ヨンハP」が語る、ブルーアーカイブの未来、そしてアニメ
Nexon Gamesが開発するモバイルキャラクター収集型ゲーム「ブルーアーカイブ」は、最近のいわゆる「サブカルチャー」ゲーム業界で最もホットな作品の一つです。韓国でも多くの人気を集めていますが、日本では特に大きな勢いのあるゲームのひとつとして定着しています。最近ではTVアニメも注目の中で放映を終え、7月末には3.5周年を迎える中、これを機に引き続きトレンドを維持していく計画です。
「ブルーアーカイブ」を語る上で欠かせない人物がキム・ヨンハ総括PDです。This is Gameは、キム・ヨンハPDとネクソンゲームズ「MXスタジオ」のオフィスで対面し、3.5周年を迎える「ブルーアーカイブ」の現在と未来、サブカルチャー文化とゲームに対する様々な見解、そして「キム・ヨンハPD」個人についての話まで、幅広く伺いました。/This is Gameヒョン・ナムイル(ガスボンベ)記者
#本格的なインタビューに先立ち…
ネクソンゲームズのキム・ヨンハPD、そして同席した「ヒフミ」のぬいぐるみ
This is Game ヒョン・ナムイル(ガスボンベ)記者:いやいや、ヨンハさん。会議室に入ってくる時、ヒフミのぬいぐるみをとても大事そうに抱きしめていまいしたが……。
キム・ヨンハPD:一人でインタビューするのが怖くて、ヒフミと一緒に来ました。思えば「ブルーアーカイブ」のオープン以来、記者の方と単独でインタビューを行うのは初めてだからか、とても不安です。
インタビューは初めてではありませんよ?2022年の初めにインタビューを行って、動画も撮って編集までほぼ終わったことがありました。結果的には公開されませんでしたが……。
キム・ヨンハPD:言われてみると、私たちインタビューしてましたね?でも、どうして公開されなかったんでしたっけ?
キム・ヨンハPD:そうでした。インタビューの直後に「あの」事件が起こりましたね。個人的にも非常に残念だった事件ですが……。ええ。今日のインタビューで、その時のことも話せそうです。
「ブルーアーカイブ」は2022年初めに「韓国独自の差別化されたサービス」のために「バーチャルユーチューバー」を通じたゲーム広報とユーザーサービスを企画しました。しかし、発表直後、むしろ先生(ブルーアーカイブのユーザー)の反感を買い、計画は白紙に戻りました。当時、開発陣に対し非常に批判的な雰囲気だったため、リリースを目前にしてThis is Gameのインタビューも結局は公開されなかったという悲しい言い伝え(?)が残っています。
#アニメ放映、「次」があるならしっかりと準備期間を持つこと
6月23日(日本基準)、全12話で放送終了した「ブルーアーカイブThe Animation」。
Q.先日、「ブルーアーカイブ」のTVアニメが全12話で放送終了しました。自分が作ったゲームがアニメ化されることに感慨深いものがあったのではないでしょうか。
A.キム・ヨンハPD:もちろんです。私自身、幼い頃から漫画を読んで、日本のテレビアニメを見て育ってきました。「アニメ化を目指して」ゲームを作ったわけではありませんが、確かに特別なことでしたし、大きな期待を持たざるを得ませんでした。
最初の1話が放送された時は、日本の放送時間に間に合うよう、切実な気持ちで待機し、無事に放送されることを祈りました。放送開始と同時にオープニングが流れた瞬間は感無量で、写真や動画にも残しています。
今回のアニメの制作と放映は、無事に「終わった」という点において意味があったと思います。今後、「ブルーアーカイブ」がより多くの人に愛されるIPとして成長するための重要な通過点だったとも言えますね。もちろん、それとは別に、アニメ制作に理想と現実のギャップはありましたが。
Q.その"理想と現実"の質問は少し置いておいて、アニメで特に印象に残っている部分があれば教えてください。
A.キム・ヨンハPD:やはりオープニングアニメーションがとても良かったですね。関係者の皆さん、本当にありがとうございました。
本編の内容で今すぐ思い出に残っているシーンを挙げるとしたら、やはり第11話のイオリと先生が登場する「あのシーン」でしょうか(笑)。
いや、本当にあのシーンは私たちも心配していたシーンで、ギリギリまでフィードバックをした記憶があります。放送後、良い反応が得られて良かったと思います。
先生(ゲーム中の主人公)とイオリが出会うシーンで……。これ以上の詳しい説明は省略します。直接ご覧ください(?)
Q.アニメーションに対するユーザーからのフィードバックは直接確認されましたか?
A.キム・ヨンハPD:もちろん、大切な「先生方」の意見はしっかり確認しています。多くの方がリアルタイムでアニメを鑑賞し、様々な「ミーム」を作って楽しんでいる様子も興味深く拝見しました(笑)。
先生方の声はすべて貴重なフィードバックであり、注意深く聞かなければなりません。個人的には、先生方の感想に共感する部分も多いです。
Q.しかし、アニメーションについては良い反応もあった反面、クオリティについては「もう少し良くできたのでは」と残念がる声も多く上がりました。
A.キム・ヨンハPD:私たちも原作者として「もう少し多くの部分で積極的にフィードバックを与えていれば?」、「もう少し期間を設けて徹底的に準備をしていれば?」という残念な気持ちがあります。実際「ゲーム開発」については、そのプロセスをよく知っているのですが、「アニメ制作」は初めてだったので、制作全般への理解が浅かったのです。原作者として、「いつ、どこまで、どのように意見を伝え、反映させることができるのか」という感覚が不足していたと言いますか。またタイトな制作スケジュールの中にも、尊重しなければならない領域があるため、フィードバックを伝えることに慎重になってしまった時期もあったと思います。
また「機会」があれば、今回の試行錯誤から得た教訓と先生方のフィードバックを鏡にして、十分な準備期間とシステムを整えて、うまく進めたいと思っています。
好評を博したアニメのオープニング映像
Q.まだアニメでは取り上げられていない「青春」の物語がたくさんありますが、続編のアニメ制作の予定はありますか?
A.キム・ヨンハPD:今のところ「具体的な計画」を語るには時期尚早だと思います。先ほど言ったように、後続のプロジェクトを進めるには十分な準備が必要なこともありますから。実際、オープニング映像はかなり長い期間、十分な準備期間と手間をかけた結果、あのクオリティが出せたのです。結局、良いアニメーションを作るには、これが一番大事なようです。
一つ確かなことは、「次の機会があれば」私自身も納得できるレベルのものをお見せできるようにしたいと思います。
アニメの制作には多くの人と会社が関わるため、「制作のプロセスが難しい」とのこと。最近では、日本のアニメ業界が活況を呈しているため、多くの会社がタイトな制作環境に置かれているそうです。このような様々なことをしっかり学んだので、「次」はもっとうまくできるだろう、と言い加えました。
#開発チームの構成の変化、「ゲームの未来のためにも必要だったこと」。
最近、「ブルーアーカイブ」は、開発初期からユーザーから多くの関心を寄せられ、愛されてきた主要な「リーダー」クラスの開発陣が大量に交代したことが知られ、話題になりました。日本向けサービスを担当していたパク・ビョンリムPD、ビジュアル総括のキム・インAD、シナリオを担当していたヤン・ジュヨン監督などが代表的です。このため、真偽不明な様々な噂も流れ、不安の声も上がっていました。
Q.最近行われた開発陣の改編について、PDの見解をお聞かせください。
A.キム・ヨンハPD:「ブルーアーカイブ」の開発を始めたのが2018年なので、最初から一緒にやってきた仲間は、このゲームに全てを注ぎ始めてから6年以上経っています。もちろん、みんな「ブルーアーカイブ」は大好きですが、だからこそ、最終編以降のライブ開発体制において「世代交代」をする必要があるという認識は、皆が共有していました。開発者個人としても、ゲームとしても必要なことだと思います。
しかし、本来であれば昨年から段階的に行われたはずのこの「世代交代」が、外部から見ると、開発陣が突然交代したように見えたようです。ですが、新しくリーダーになった人たちが責任を持って仕事を引き継ぎ、現在はスタジオも安定し、ゲームの開発も問題なく進んでいます。
Q.それでも、匿名のコミュニティなどでは様々な悪い噂が流れましたが、この機会に解明したいことがあれば教えてください。
A.キム・ヨンハPD:私も読みましたが、この場を借りてハッキリ言うと、ゲームに対する見解の相違があったとか、報酬をめぐって対立があったということは絶対にありません。
匿名のコミュニティでそのような話が流れたことは知っていますが、まず、そのような話をした方が、本当に現ネクソンゲームズやMXスタジオ所属の方なのかすら不明です。仮に現職であったとしても、会社のすべてのことを正確に把握できる立場にいた方なのかについても疑問があります。
開発チーム改編の影響で、キム・ヨンハPDは最近「開発PD」の役割も兼任するようになりました。生放送にも、より積極的に顔を出しています。
Q.それでは、離職された方も「互いに笑顔で」別れたと言えるのでしょうか?
A.キム・ヨンハPD:ええと……もしかして「葬送のフリーレン」の漫画やアニメを見たことがありますか?
えっ、「葬送のフリーレン」をご存じなんですね。あれは本当に神作品……
「葬送のフリーレン」を見ると、元々パーティーメンバーだった僧侶「ザイン」が、かつての仲間だった「戦士ゴリラ」を探しにパーティーを離脱するエピソードがあります。向かう先は違いますが、いつかまた彼が再びパーティーに合流できるかもしれないという余韻を残しています。
ゲーム開発も同じようなものだと思います。ゲーム開発という長い道のりの中で、次の目的地が分かれただけで、皆私にとっての大切な仲間であり、皆「ブルーアーカイブ」を心から愛しています。だからこそ、今後も機会があれば一緒にやるかもしれないと思っています。先のことはわからないですからね。
ネクソンゲームズを退社された方とも、まだ良好な関係を維持していることを明らかにしました。
Q.これが話題になったのは、それだけ主要な開発陣の存在感が大きかったからではないでしょうか。
A.キム・ヨンハPD:もし「開発者の誰かが抜けたからといって、その後のゲーム開発が行き詰まる」というようなことが起こったら、それはゲームの状態が健全ではないと思います。そのようなことが起こらないように、PDとして開発「システム」を整えることが重要だと考えていますし、実際に「ブルーアーカイブ」はそんなシステムを整えているので、心配しなくても大丈夫だと思います。
念のため言っておきますが、だからといって開発者や仲間が大切ではない、というわけではありません。もう一度言いますが、チームを去った方を含め、仲間一人一人は本当に大切で、今の「ブルーアーカイブ」の成功は、すべての開発者一人一人の功績が大きいと思います。私個人としても、心から感謝を伝えたいです。
#「ゲーム開発者」キム・ヨンハPDの物語
Q.「ブルー・アーカイブ」と「魔法図書館キュラレ」より前のPDの人生については、きちんと明かされたことがなかったように思います。
A.キム・ヨンハPD:別に特別なことはありません。ゲームが好きで、「マクロス」などのTVアニメが好きなオタクで、90年代後半に「キングダムアンダーファイア」のプログラマーを皮切りに、「開発者」としての名刺をもらいました。
その後、「シャイニングロア」、「マビノギ」などの開発にプログラマーとして参加し、ネクソン、アイデンティティゲームズ、スマイルゲート等で、世に出なかった様々なプロジェクトの「PD」として開発に参加しました。カプコンとの共同プロジェクトも行い、MMORPGも作りました。こうして振り返ってみると、開発者として活動して25年以上経ちましたが、それなりに波乱万丈でした。
キム・ヨンハPDは、自分の人生で最も影響を受けた人物(?)として、「マクロス」のヒロイン「リン・ミンメイ」を挙げました。思春期の頃に、人生を「こっち側」に導いたとのこと……。
Q.これまで参加した数多くのプロジェクトの中で、「ブルーアーカイブ」を除いて、最も記憶に残るプロジェクトがあれば教えてください。
A.キム・ヨンハPD:アイデンティティゲームズ時代に開発した「プロジェクトB6」が一番記憶に残っています。私がPDとして参加したプロジェクトで、サブカルチャーゲームではなく、PC用オンラインMMORPGでしたが、良い仲間と出会えたし、個人的にもPDとして「仲間は本当に大切だ」ということを気づかせてくれたプロジェクトなので、愛着があり、思い出深いですね。
振り返ってみると、当時の試行錯誤で学んだ経験の一つ一つ、仲間との縁や経験一つ一つがつながり、最終的に「ブルーアーカイブ」までつながったと思います。実際、「B6」で共にした仲間の中には、その後も縁があってネクソンゲームズで一緒に働いている人もいますしね。
キム・ヨンハPDが最も記憶に残っているという「プロジェクトB6」。2021年NDCの講演資料より抜粋。
Q.もし「B6」がうまくいっていたら、「サブカルチャーゲームPD」のキム・ヨンハではなく、「MMORPG PD」のキム・ヨンハとして名を残すこともできたということですね。
A.キム・ヨンハPD:「ゲーム開発」は、1人開発のインディーゲームでない限り、開発者1人が自分の作りたいものを完璧に作ることは不可能に近いです。一緒に働く仲間全員が作りたいと思えるものをうまく見つけなければなりませんし、何よりもPDは経営陣のニーズにも合わせていかなければならないプロジェクトの「調整者」としての役割も果たさなければなりません。
ただ、私自身が「自分が作りたいゲームを作るときにワクワクするし、「楽しくゲームを作るときに」良い成果が出るのは確かだと思います。そういう意味では、「ブルーアーカイブ」は本当に「奇跡のように」私が作りたかったゲーム。私の欲望がちゃんと投影されたプロジェクトです。
Q.もしかして、キム・ヨンハPDさんご自身が作りたかったゲームというのは……?
A.キム・ヨンハPD:男性のキャラクターがもうすこし少なかったらいいなと思っていました。
ネクソンゲームズのパク・ヨンヒョン代表。ゲーム一つが世に出るには、「経営陣の支持」が必須です。その点で、「ブルーアーカイブ」は、ネクソンゲームズ代表・パク・ヨンヒョン氏の全面的な支持があったからこそ誕生することができたと、キム・ヨンハPDは説明しました。
Q.「ブルーアーカイブ」が大ヒットして、「キム・ヨンハPDと一緒に働きたい」と入社を希望する開発者が多そうですね。
A.キム・ヨンハPD:面接の時にそのような志望理由を言う方はいらっしゃいます。だからといって、特別に加点したりはしませんが(笑)。
感謝の気持ちもありますし、感動しますね。これまでの人生、そんなに悪くなかったんだなと思ったりもします。私自身が大層な人間だとは思っていないので、過分な話だとも思っています。「ブルーアーカイブ」の開発チームに応募してくださる方に対しては、いつも感謝の気持ちを持っています。
何より「サブカルチャーゲーム」というのは、文字通りメインカルチャーではありませんよね。それでも面接をしていると、サブカルチャーゲームや文化に「本当に」興味を持って、愛着を持って、やる気を持っている人がどんどん増えているように感じます。だから、そういう人が入社すると、仲間として自分も頑張らなければいけないと思うと同時に、多くの刺激を受けます。
#サブカルチャーが「主流」にはならないまでも……
Q.ゲームのヒット以降、業界では有名人になりましたが、日常でも気づかれたり、サインや写真撮影を頼まれたりしますか?
A.キム・ヨンハPD:実際、レストランなどで気づいてくれたり、写真を頼む人がいるにはいました。ありがたいことです。ですが、そもそもこんなおじさんと写真まで撮らなくてもいいのに、お願いされるこっちが申し訳なくて……いろいろと複雑な気持ちになります。
同時に「善良に生きなければ」と思うのです。そうでしょう?もし私が万が一、悪いことでニュースの社会面に載ったら、私と写真を撮られた方は、どれほどきまりが悪いでしょうか?
Q.過去に撮った写真や映像資料が後から話題になることもありましたが、もし「消したい」写真があるとしたら?
A.キム・ヨンハPD:私は以前から「面白そうなら積極的にやってみよう」というタイプなので、写真や映像がたくさん残っていると思います。でも、過去の自分を責めても仕方ないでしょう。私は既にたくさん見てきたので、今さら大した感慨もないのですが、むしろ見てしまった方が恥ずかしくなると思うので、申し訳ないです。
そして消したいのは……実は私にとっての本当の「黒歴史」は、まだデジタルカメラがなかった大学やサークル時代のことです。いや、でもこんなことを言ったらむしろユーザーが「ワンピース」だと思ってしまいそうなので言っておきますが、こんなことに興味を持たないでください。本当に。
KBS「夫婦別曲」という番組に出演していたキム・ヨンハPDの様子。彼はもともとコスプレモデルの写真撮影を積極的に行っていた経験があり、その経験をもとに「フォーカスオンユー」というVRゲームの開発を進めていました。
Q.個人的には、CBSで放映された講演が印象的でした。「何も知らない一般人の前で「オタク文化」について恥ずかしそうに説く」講演としてで有名ですね。
A.キム・ヨンハPD:「私たちが萌えキャラに惹かれる理由」というタイトルで行われた講演ですね。敢えて解明(?)するならば、世間の認識とは違って、実際に当時の講演の雰囲気は良かったと思います。聞く側も呼応しようと努めてくれましたし。
もしまたこのような講演依頼があれば、やってみる気はあります。何より、その講演を行ったのは10年前(2014年)ですが、今は「サブカルチャー」と呼ばれるオタク文化に対して、社会全体的にもう少し受け入れられる雰囲気になっていることもありますから。
現在YouTubeで見ることができるこの講演で、最も多くの反響があったコメントは「(映画)ジョーカーのスタンディングコメディシーンよりも息苦しい」です。(……)
Q.以前と比べると、社会が少し「オタク文化」を受け入れる雰囲気になってきたと思いますか?
A.キム・ヨンハPD:「主流」まで上がってきたとは言い難いですが、それでも底辺拡大というか。オタク文化やコンテンツを積極的に消費する人が増え、また社会的に容認して受け入れる雰囲気自体は確実に形成されてきたと思います。
実際、ソウルの弘大入口などに行くと、有名なサブカルチャーゲームの広告やVTuberの誕生日祝いの広告が、当たり前のように掲げられています。また、様々なイベントなどで自分の好きなコンテンツへの愛情を惜しげもなく発散する人も多くなりました。
以前からそうだったらよかったのにと思ったりもしますが(笑)、いずれにせよ、サブカルチャーゲームを作る人間として、このような変化をポジティブに捉えつつも、このような方に楽しんでいただけるコンテンツを今後どのように続けていけばいいのかということを常に考えています。
Q.それに、オタク文化は「流行」や「トレンド」が非常に早く変わるので、追いつくのが大変そうです。
A.キム・ヨンハPD:ただ、無条件にトレンドを追うだけではいけません。むしろ、トレンドに追従しようとした結果、「ブルーアーカイブ」というIPとゲームの方向性を失ってしまったら本末転倒ですからね。代表的な失敗例としては、やはり「イルア」ではないかと思います。
VTuberというフォーマットがトレンドでもあり、ライブサービスコンテンツとの相性も良いと思って推進しました。ゲームの設定と少し距離を置いたのは、実は運営上の自律性を持てるように考慮したもので、その分、クオリティとビルドアップを大事にすべきでした。「ブルーアーカイブ」というIPに定着させるには、やり方が粗雑で、何よりユーザーの目線から見ると、足りない点が多かったので、座礁してしまいました。とても反省しました。
ただ、だからといって、トレンドを無視しようというわけではありません。常に半歩先を見据えながら、最新のトレンドの中で私たちのゲームに反映できるものは何か、何より「ユーザーのニーズが何なのか」を考え、コンテンツの方向性をしっかりと掴まなければいけないと思います。
合井駅のアニプラスで行われた「ブルーアーカイブ」コラボカフェの様子。
Q.「サブカルチャーゲーム」をサービスする立場として、より多くの「一般人」ユーザーを集め、裾野を広げることは大きな課題だと思います。
A.キム・ヨンハPD:実際に毎回考えているテーマでもあります。「ブルーアーカイブ」は、Moms Touch、EDIYA COFFEE、最近ではコンビニエンスストアのGS25まで、様々な企業とコラボイベントを行いましたが、このような取り組みもその一環とご理解いただければと思います。
Q.そういえば、PDはGS25でパンを買うと手に入る「ブルーアーカイブ」のシールをどれくらい集めましたか?
A.キム・ヨンハPD:うーん……このくらい?
被りを含めて既に70~80枚以上を集め、やろうと思えば他の人と交換して全種類集めることもできるとのこと。
実は今回のコンビニエンスストアを含め、食品業者とのコラボも、まったく経験がなかったので大変でしたし、ネクソンも苦労しました。
本当に良かったのは、コラボを行ったところのほとんどが「過去最高の成績」もしくはそれに準ずる良い結果を出したということです。おかげで業者側も皆反応が良く、再実施についても前向きな反応を示してくれるところが多いです。
また、食品業界が全体的にゲームへの関心が高まっているので、そこには「パイオニア」としてのプライドもあります。同時に責任感も強く感じています。
Q.「ブルーアーカイブ」はサービス以降、国内外の様々なイベントで直接顔を出してユーザーと交流する姿が話題になりました。今後も積極的にイベントに参加するつもりですか?
A.キム・ヨンハPD:参加は続けるつもりですが、毎回同じパターンで参加するのはちょっと……コスプレでもしたほうがいいかな?とは思っています。あ、だからといって、どんなキャラクターのコスプレをしようかなと真面目に考えているわけではありませんよ(笑)。
キム・ヨンハPDは「ブルーアーカイブ」関連イベントに毎回積極的に参加し、そのたびに人気スターになっています。
#ブルーアーカイブは、既に2025年、更にその先まで準備している。
Q.「ブルーアーカイブ」といえば、日本のパブリッシャーである「ヨースター」が欠かせない存在です。PDさんはヨースターについてどのようにお考えなのでしょうか。
A.キム・ヨンハPD:本当に熱心なパブリッシャーです。「ブルーアーカイブ」の運営やマーケティングについては、安心して任せられるありがたいパートナーです。特に日本での幅広いプロモーションやグッズ制作、イベントなどを見ると、私たちも驚かされることが多いです。きっと、ヨースターと一緒でなかったら、日本でこれほどヒットすることはなかったと思います。
もちろん、個々の案件で開発の意図と衝突することもしばしば発生し、サービスの過程でお互いに試行錯誤を繰り返した経験もありますが、既に3年以上経った今、パートナーとしてお互いをよりよく理解しあえる成熟した段階に入ったと感じています。
「ブルーアーカイブ」は、ヨースターの主導の下、日本で様々なIP事業を展開しています。キム・ヨンハPDが持っているのは、その一つであるオフラインTCG「ヴァイスシュヴァルツ」の商品。
Q.サブカルチャーゲームの新作。特に最近は多くの資本を投入した「大作」が続々と登場しています。どうやら「防衛戦」をする立場としては、プレッシャーも大きいと思います。
A.キム・ヨンハPD:防衛戦と言えるのでしょうか?むしろ私は、オタクの立場で楽しめるコンテンツがどんどん増えていくのはいいことだと思います。先ほどの「裾野を広げる」という意味でも、業界全体としても必要なことだと思いますし、同じサブカルゲームを作る立場として応援しています。
もちろん、これが競争関係という厳しい現実もあります。その中でもユーザーに選ばれるような差別化されたポイントを磨かなければならないという刺激を受けます。「ブルーアーカイブ」だからこそ見せられる「新しく」面白いコンテンツをこれからも用意していきます。
Q.最初にゲームがオープンした時点で「これから見せたいストーリーやコンテンツがたくさんある」とおっしゃっていましたが、3年経った今、当時企画したコンテンツはすべて見せられたのでしょうか?
A.キム・ヨンハPD:「ストーリー」のほうは、オープン時点ですでに1部の最終章と、その後どのようなストーリーを展開するのかが大まかに決まっていました。1部を終えて、かなり進みましたが、そろそろその後の物語を扱う時期になりましたね。
ただ、「コンテンツ」の面では、むしろオープン時に計画していた以上のものをユーザーに見せられたと思います。特に「キャラクターをフィールドで操作してプレイするコンテンツ」は、韓国サービス開始時点でも計画にはありませんでした。
韓国では7月中旬に開催予定の「陽ひらく彼女たちの小夜曲」イベントでは、史上初のユーザーがキャラクターをフィールド上で操作するコンテンツが登場する予定です。
Q.では、「これから予定されている」ストーリーやコンテンツはどの程度用意されているのでしょうか。
A.キム・ヨンハPD:準備の「細かさ」の違いはありますが、来年にやることまでは、すでに話は全部終わっている状況です。実際、来年発表するコンテンツのリソースを現在作成している状況です。同時に、再来年に何をやるかについても計画を立てていて、それ以降についても大まかな計画を立てています。
個人的に作ってみたいコンテンツもたくさんあるのですが、何よりも「ブルーアーカイブ」に本当に愛着を持っている開発者たちが率先して積極的に作りたいもの、見せたいコンテンツや物語がたくさんあります。そういった部分をPDとしてうまく調整して、ユーザーの皆さんにお届けできるように最善を尽くしますので、是非ご期待ください。
インタビューは、ネクソンゲームズ「MXスタジオ」のある会議室で行われました。いくつかの会議室がありましたが、すべての会議室の名前が「ゲヘナ」、「トリニティ」、「アビドス」のように「ブルーアーカイブ」にちなんでいるのが印象的でした。
Q.「ブルーアーカイブ」というIPについて、どのような将来像を描いているのか知りたいです。
A.キム・ヨンハPD:サブカルチャーゲームは、もはや「ゲーム」だけでユーザーを楽しませる時代ではないと思います。幸いなことに、「ブルーアーカイブ」は世界観と、その世界観の中で生きている様々な学生たちの物語をユーザーが愛してくれるので、ゲームを超えて一つの「IPプラットフォーム」として成長する可能性があると思います。
もちろん今後もゲームのアップデートが主軸になりますが、IPの拡張として、グッズ制作、アニメ、オフラインイベントやコンサート、スタンプな、方法はたくさんあると思います。とにかく、とにかく全世界を「ブルーアーカイブ」で埋め尽くせたらいいなと思いますし、「ブルーアーカイブ」を好きな人たちが、このIPを通じて、この過酷な世の中で少しでも癒され、楽しさを感じてもらえたらいいなと思っています。
先ほど、韓国のサブカルチャーの裾野を広げるというお話をさせていただきましたが、先駆者の立場から……サブカルチャーIPを理解してくださる方、サブカルチャー商品の成功事例、サブカルチャーコンテンツを経験する新しい方法など、「ブルーアーカイブ」を通じて広げていきたいと思っています。
Q.では、「PDの未来」はどのように描かれているのかも気になります。一生「ブルーアーカイブ」の開発を続けるのでしょうか?
A.キム・ヨンハPD:さあどうでしょう。ゲームは開発し続けなければなりませんね。実は「ブルーアーカイブ」が軌道に乗ってから、昨年末から今年初めまでは、「ブルーアーカイブ」は「総括」としてのみ、大枠でプロジェクトの進捗をチェックしていました。その代わり、「プロジェクトRX」という名の新作開発に注力していた時期がありました。
しかし、今は「ブルーアーカイブ」の総括に加え、「開発PD」として完全に復帰したことで、このゲームにもっと専念していきたいと思っています。また、今回新たに「ブルーアーカイブ」のディレクターに就任された方々が活躍できるよう、しっかりサポートしていきたいと思います。
一生このゲームを開発する?もう私の人生にとって、このゲームは切っても切れない作品になってしまったと思います。これからも私たち先生方がゲームを続けられるように、命がある限り全力で開発に励んでいきたいと思います。
Q.そういえば、「ブルーアーカイブ」は「美少女(ミソニョ)X-COM」の略として、最初のスタート名は「プロジェクトMX」でしたね。「RX」は何の略ですか?
A.キム・ヨンハPD:秘密です(笑)現在、チームの設定やプロジェクトの方向性がすべて軌道に乗った新作ですし、以前「ブルーアーカイブ」で2代目開発PDを務めたチャ・ミンソPDがうまくリードしているので、それほど遠くないうちにユーザーに公開できると思います。時が来ればもう少し詳しく説明できるようにしたいと思います。
Q.最後に、今回のインタビューを通して伝えたいメッセージがあれば教えてください。
A.キム・ヨンハPD:最近、私に声をかけてくれる先生方を見ると、「ブルーアーカイブ」が私の人生の活力の源になった」、「もっと楽しく世の中を生きることができるようになった」というような話をされる方が多いです。
本当に言葉では言い表せないほど感謝していますし、同時に私自身もすごくモチベーションが上がります。「ブルーアーカイブ」に愛情を注いでくださっている先生方に、私も「愛しています」と伝えたいですし、失望させないように、このゲームでこれからもコツコツと、そして、より良い姿をお見せできるように最善を尽くします。